壁への叫び声

誰にも届かない一方通行のつぶやき

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと

久しぶりに活字が欲しくなり、手を出しやすいラノベを読むことにしました。
他の方のブログであらすじを読み、あっ好きだなと思ったのがタイトルの一冊です。

舞台は中世のヨーロッパをメインに魔法とファンタジー要素を盛り込んだよくあるものです。

 

 

天才魔術師モニカ・エヴァレットは人見知りで、人前で喋るのが大の苦手。
そこで彼女は猛努力の末に、詠唱をせずとも使える無詠唱魔術を習得。〈沈黙の魔女〉として、弱冠十五歳で七賢人に選ばれた後は、森の中で静かに暮らしていた。

 

とあらすじがあるのですが、この主人公設定がよいですね。

苦手なことから逃げ続けて、だれもなしえない能力を手に入れる。こういった方向音痴の天才設定は面白くて好きなのです。

 

設定から本書をとって読み進めたのですが、内容はラノベらしいものでした。
娯楽らしく楽しませていただいたのですが、伏線の張り方と言葉遣いが非常に良かったです。

伏線は明らかにあとから出てきますよとわかりやすく配置するものが半分、物語を説明している何気ない文章にしれっと紛れ込んでいるものが半分。どうしてもわかりやすく配置されている伏線に考えがいってしまい、何気ない伏線がうまく隠れていました。
この回収のされ方が本当に気持ちが良く、素晴らしい作品だと感じさせてくれました。

物語のほうの良さとしては、やはり最後の決戦が見どころでした。決戦の準備には今までの登場人物がフルで活躍し、そのキャラクターの特性が見事に生かされていました。

むしろそういった活躍をさせるために今までの物語があったと感じます。先ほどの伏線の張り方といい、後に生きる文章の書き方をしているため、これが自分にはまった作品でした。

 

こういった作品があったら是非読んでみたいですね。